| 日本における京都府(宇治茶) |
| 京都府の茶業は、茶の栽培が気象上および土地ならびに地理的な自然的立地条件に適合し、それぞれの地域性を生かして煎茶・かぶせ茶・玉露・てん茶などの各種の茶生産が行なわれている。また、流通面においては”宇治茶”の銘柄のもとに活躍する産地問屋の積極的な取り組みが行なわれ、全国的な販路をもつ茶の集散地として国内においても重要な地位を占めている。 このように宇治茶の生産、流通の両面において均衡ある発展を遂げてきた背景には、前述の自然的立地条件に加えて、平安時代前期以来の社会的環境に恵まれてきたことも見逃すことはできない。 京都府の茶業の現状を最近の茶統計から見ると、昭和五十九年(一九八四)における茶栽培農家数は四四六六戸となっており、栽培面積は一七四〇ヘクタールで全国第七位、その占有率は三パーセント弱である。さらに荒茶生産量は約三〇〇〇トンで、静岡、鹿児島、三重の各県に次いで四位となっているが、その占有率は三・三パーセントである。 しかし、玉露・てん茶部門ではそれぞれ二位の地位にあって、その占有率は玉露が三三パーセント、てん茶が二六パーセントを占め、品質的には最優秀品を産出している。 府内の荒茶粗生産額は約六〇億円で、府農業総粗生産額約八七五億円の中に占める割合は約七パーセントと低いが、単作物として、また特産物としての地位は極めて高く、京都府を代表する特産品であることは自他ともに認めるところである。 流通面においては、京都府は静岡県とともにわが国の二大集散地を形成し、京都府における茶取扱い学派推定約九〇〇億円といわれている。 |
| 宇治茶の特質 |
| 地理的条件 |
| 中世初頭に洛北栂尾に始まったとされる京都の茶づくりは、その後現京都市・宇治市・丹波の一部へと拡がり、さらに南部の綴喜郡・相楽郡へとその産地を拡大してきた。 現在の産地は、京都市にあっては周辺部に市街化がおよぶなかで、その東南の極く一部に産地を残すのみとなり、ほとんどの産地は宇治茶および木津川流域の平坦部と山間部、ならびに由良川流域の平坦部および山間部に展開している。 宇治川沿岸平坦部の旧巨椋池周辺地域は、おおむね埴土・埴壌土の沖積層で地力に富み、最高級の玉露・てん茶の産地である。沿岸から少し離れた丘陵地は洪積層で、一部に花崗岩質の砂壌土地地域もあるがいずれも良質の玉露・てん茶の産地となっている。また、宇治川の支流が貫流する宇治田原町は秩父古生層・第三紀層からなり、独特の香味にすぐれた煎茶を中心に一部玉露・かぶせ茶の産地でもある。 木津川の河川敷およびその沿岸部は、大部分が花崗岩系砂壌土の沖積層で、この地域もまた優秀なてん茶、玉露の産地である。木津川流域の中山間部・山間部は秩父古生層、花崗岩、片麻岩などが混在し、南山城独特の香味ならびにのどこしの良い茶の産地であり、京都産宇治茶の約70%以上を生産している。 |